ごめんねごめんね
最初に何となく、違和感を感じたのは4日くらい前だったか。
何がどう、ということではなく、本当に『…?』という程度の違和感。気のせいかな?気のせいならいいが?
そんな気持ちのひっかかりを残したまま、ライブ、翌日の朝。
お尻を舐めている姿を見て、やっぱり変だと確信した。もしや、腎臓が悪いのか?膀胱か? 明日(月曜)採尿してねこ病院に持って行こう。 そう決めて、そのまま出かけたのだったが。
夜、私を出迎えに出てきたかーを見て、「やばい」と直感した。「猫背」なのだ。どこかに痛みがあるに違いない。
いつもなら、出てきて思いきり猫ストレッチをし、あくびをし、「おやつー!あそぶー! きょーこーっ!」と威張るのに、猫ストレッチをちゃんとしなかったし、じっと私を観て声なしにゃーをしたその背が丸まっていた。
観察しているとやっぱりお尻を舐める。いつもはこんなに舐めないはず。
「どうかした? おしっこでないの?」とかーを裏返しにすると「やー!」と抗議の声を上げた。ビンゴ、お尻にやっぱりなんかある。「みせてごらん?」「やー!」「みせてごらん!」「やー!!!!!」私の腕に噛みつき、爪をたて、逃げようとするけど、こっちだってもうかーとは7年暮らしている。噛まれようが爪を突き立てられようが、怯むもんではない。「やーでないっ!」とお尻を覗き込むと、お尻の「菊の御門」の左脇に赤黒く腫れた部分が。毛皮の下から覗くその赤黒いおできは100円玉ぐらいあろうか。血の気が引いた。
化膿してる!
こんなちっこい身体で、この大きさの化膿、緊急事態である。
あわてて去年の秋にかーを予防接種につれていき、納得の診療をしてくれた獣医さんの診察券を探す。
診察時間は過ぎている。
ダメ元で電話をしてみると、留守番電話が無情に診療時間は過ぎていると告げた。だめかやっぱり。
「なお、」
とメッセージは続いた。
「緊急の場合は、まだ診療可能であれば、折り返しお電話いたしますので、メッセージの後にお名前、症状などを録音してください。」
藁にもすがる思いでメッセージを残す。「あの、昨年秋ワクチン接種でお世話になりました河崎です 猫の様子がおかしいので見てみたら、肛門の脇におできができているようで、化膿しているようなので、もし可能であれば診察お願いします。もしくは明日朝いちばんで連れて行きますのでよろしくお願いします。電話番号は、090-××××-××××です」
留守電を残したあとも、尚も不安で近隣の24時間診療の獣医を探す。どうしてもっと早く気付いてやれなかったか。おかしいと感じていたのに。
視線を感じて足元を見ると、かーがじっと私を見上げていた。「おいで」と声をかけると寒い冬でもないのに、膝に乗ってきて、うずくまってみたり、丸まってみたり、どうにか身体を休めようとしながらぐるぐる回って腰を屈めている。辛いのだ。
かーごめん。ごめん ごめんごめん。
どうやっても化膿している部分が障って痛いのだろう、諦めて膝から降りて、床でまた患部を舐めはじめた。
「かーさん、そこ舐めないで 痛いんだろうけど舐めないで」と声をかけると「うなうなうなうなうな」と唸りながら舐め続け、止めさせようと頭を撫でたら「ううううううぅ~!」久々に聴くエクソシスト声になった。
刻一刻悪化しているようではないか?
まずい。一刻も猶予ならないか?
普段の私なら、ここで症状を元に、かーの現状がどういう状況なのか調べる冷静さぐらいはあったと思う。
だけど、「気づいていたのに気づいてなかった」という自責が先に立って、完全に慌てていた。
今まさに、24時間診療の獣医さんに電話しようとしたその時、携帯が鳴った。
「は、はいはいはい!」
「あ、河崎さんですかー? ○○ねこ病院の○○ですー」
「すみません夜分遅くに」
「かーくんね、診てみないとわからないけど、おそらく肛門膿です。」
「コーモンノウ?」
「猫ってね、スカンクなんかみたいに臭腺が肛門の脇にふたっつあってね」
「ああ…」
それで思い出した。そういう病気があるって本で読んだ。そうかそれか。
ねこ医者は手短に「肛門膿」とはどういう病気か説明したあと、私に的確な質問で症状の確認をし、
明日で大丈夫だから明日いらっしゃいと言った。
「今晩一晩で取り返しがつかなくなるなんてことはないですよね?」
「大丈夫、かーくんは若いし」
「えー、でももう七歳ですが」
「猫の七歳はまだ若いですよ。それにこの病気はこれが原因でどう、とかっていうものでもないから」
「それ聞いて安心しました。では明日お願いします」
「はい、お待ちしています。もし何かあればいつでも電話してきてくださっていいですからね」
深夜の電話、獣医さんにとっては迷惑千万だったろうが、これでどれほど安心できたことか。やっぱりこのねこ医者、信頼できる。
尚も嫌がる閣下を押さえつけ、仔細にお尻の問題部分を観てみると、いまにも破裂しそうになっているのが判った。これは辛かっただろう。本当に申し訳なかった。
私の手を逃れたあと、ずっと私が布団に入るまでかーは隅におかれたチーズ君の中で丸まっていたが、私が布団に入るとのそのそ出てきて、中腰から用心するようにして、どっこいしょ、と私の脚の間に陣取って、患部を舐め、時折痛いのか、虚空に向かって「かー!」と威嚇音を発したりしながらも、脚にいつもよりもずしっと寄りかかって眠ろうとする。うつらうつらしては、患部を舐め、「かー!」の繰り返し。
猫は病気なんかで具合が悪い時、人の手を嫌い、ひとりで隅っこに丸まりたがるというけれど、こうやって(脚だけど)私を頼ってくれるということは、MATEとして認識してくれていたんだなぁとちょっと嬉しかったけれど、それにも増して自分のダメ飼い主ぶりに腹がたった一夜でした。
現在、閣下は切開処置を受け、10ccほどもの膿を排出したので、かなり楽になったらしくすやすや眠っております。抗生剤を服用しているので、なんとなくダルそうではありますが、明らかに楽になったようなので、少しだけほっとしております。
by kyoko_fiddler
| 2009-05-25 18:14
| かーは猫である
猫、ときどき提琴。 ~Fiddler on the Moon~
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